「グリルビーと ふゆかいな なかまたち」

グリルビーと ふゆかいな なかまたち

イラスト:saffronscarf

焼きマシュマロを手にのせているグリルビー

店主:グリルビー

体が炎でできているのに、なぜか寒いところが好き。だからホットランドからスノーフルに引っ越してきた。

体の炎は、不思議な力でコントロールされている。ただし、怒ったりイラついたりすると暴走する。クールで落ち着いた性格なので、ほぼ危険はない。とても無口で、店内で彼の声を聞けたらかなりラッキー。店以外ではもっとおしゃべりなのかは、不明。

体の炎には、物を燃やす力もちゃんとある。とはいえ、温度をめいっぱい下げていると、お湯の入った水筒ぐらいの熱さ。体から立ち上る熱気は、絹のような肌ざわり。

店のドリンクは、ものすごく分厚いグラスに入れて提供する。グラスの外側はグリルビーの手の熱でいつも熱いが、中の飲み物は冷たいままで、氷を入れるとちょうどいい冷え具合になる。

額に入って棚に飾られた、グリルビー型ゆきだるまの写真

ホットドリンクのオーダーが入ると、手の炎で温める(特におすすめはホットチョコレートで、グリルビーが手のひらで焼くマシュマロ付き)。

自分の手で雪だるまを作れないことが長年コンプレックスだった。ある日、2人の子どもがグリルビーをモデルに雪だるまを作ってくれて、その写真を今も店に飾って大事にしている。

フライドポテトを食べながら目を回すバニー

常連客:バニー

口を開けば「ホットな男子がいない」と文句ばかり。なのに自分は同じ席から動かず、具体的な行動には出ない。フライドポテトの食べすぎでいつも目が回っている。

グリルビーやサンズをちょいちょい口説く。サンズには「サンズぅぅ」と甘えた声ですり寄り、グリルビーには、「口の中でマシュマロ焼いて」と頼むことも。今ではもう、グリルビーは彼女に出す料理には手も触れず、バックルームにある予備の発熱体を使って調理している。

カップを持つバード

常連客:バード

店でしゃべらないグリルビーの代わりに、彼が何を考えているのか“通訳”して他の客に伝える。

この役割にやりがいを感じ、自分は親切だと思っている。が、ときどき通訳を間違う。

その通訳ミスをサンズに指摘されるので、サンズとは衝突することも。グリルビーとしては、サンズの指摘はありがたい。

とはいえ、サンズが訂正して通訳するとさらにめちゃくちゃなことを言うので、グリルビーはしばしば自分で訂正したい衝動に駆られる。

オーダーしたフライドポテトをバニーがつまみ食いすることを黙認している。

タンクトップを着てちょっとボーッとしているフィッシュ

常連客:フィッシュ

ずぼらなタイプ。グリルビーズで注文する「いつもの」は、上に魚のエサを散らして火をつけたドリンク。

いつも女の子を“捕まえようと”しているが、その手段は、動物をやさしく捕獲するワナのようなものばかり(無人の釣りざお、つっかえ棒をした箱など)。

出会い系アプリの登録名は「100%ナチュラル」。プロフィールには大きなチーズの写真を使っている。本人は、誰ともマッチしない理由がわからない。

グリルビーが何も言わないと、「同意」と解釈する。女の子を捕まえる計画を説明しているときもそうだから、いろいろと困ったことになる。

意外にも、店の他の客たちとはとても仲よし。

ストローがささった牛乳パックを持つ、サングラスをかけたパンク

常連客:パンク

若者ぶった客。ホットミルクかコーラしか注文しない。「もう少し年取ったら別のものをオーダーする」が口グセ。

…でも、何度誕生日をむかえても、やっぱりホットミルクかコーラしか頼まない。

ホットランドや「みやこ」の出身者に対して、やたらとマウントを取る。そのくせグリルビーのことは崇拝し、「みやこ」にはコンサートを観によく出かける。

顔をしかめているマウス

常連客:マウス

ちょっぴりグルメ派。グリルビーズの料理は全部食べ、地元紙にレビューを書いている(ちなみに、編集部は何も依頼していない。でも、レビューはありがたく受け取っている)。

見た目に似合わず、注文する料理の量はだいたい控えめ。大変お行儀よく食べる。

医療関係の仕事をしていて、高収入。稼いだおカネでサンズからめずらしい食べものを買う(「ビチャビちゃ」、「グラマーバーガー」、「フライドスノー」など)。

ウワサによると、顔が鼻にそっくりな家族が1人と、目にそっくりな家族が数人いるらしい。

テーブルで、ポーカーをしたりキスしたりするイヌたち

常連客:イヌたち

いつ行っても店にいて、毛をまき散らしながらトランプをしている。食事代をホネで払おうとするし、テーブルをひどく汚すものの、とても忠実な客で、誰か1匹でもいなくなると店がさみしくなる。

店にアンダインが来ると全員ツケを全額支払ってくれるから、グリルビーも多少のことは大目に見ている。

1つのテーブルに全員集まってかんぱいするイヌたち
グラスに入ったドリンクを舌でペロペロなめてこぼしまくるイヌたちと、それを平然と見守るグリルビー
カウンターに寄りかかり、ラベルに「いつもの」と書かれたケチャップを飲むサンズ

常連客:サンズ

初めて店に来た日、席に着くなり「いつもの」を注文した。

古くからの常連のように振るまっているが、店の客をしょっちゅう笑わせているうちに常連あつかいされるようになっただけ。

店では、サンズの注文はなんらかの“ツケ”のシステムになっている。そのうちいくらが、いつ支払われるのかは、グリルビーとサンズにしかわからない。

グリルビーとは仲がいいようで、ときどき店の雑用を手伝っている。

ごくまれに、グリルビーが店を空けるとき、店番をしていることも。

店番中のサンズに注文をするときは、ユーモアのセンスを忘れずに…

(何食わぬ顔でカウンター内にいるサンズ)「きょうは いちばん “たかい” せきで のんでいいぜ。オイラの おごりだ」
(店で一番“高い”場所、屋根の上に置いてあるドリンクと、それを指す矢印)
兄を大声で呼びながら、グリルビーズの入り口のドアを勢いよく開けるパピルス

常連客:パピルス

ときどき、兄のサンズを自宅(または職場)へ連れもどすだけの目的で店にやってくる。

店に来ると、グリルビーにひたすら謝り、兄の“ツケ”をいろんなホネで払おうとする。

…そして、いろんなホネの価値やレア度を解説しはじめる。イヌたちが食事代としてグリルビーに“支払った”ホネと、自分が持っているホネをトレードすることも。

脂を口にするとじんましんが出ると信じていて、店に来ても、たいていは何も食べない。

…が、強くおすすめされれば、ホットチョコレートかホットミルクは飲む。

顔にじんましんが出ているテミー

常連客:テミー

店の料理を食べると、ふだんと違うものを食べたせいでじんましんが出る。

(* テミーは グリルビーズの りょうりを たべた…)