Chapter 3 & 4
開発クエスト
―リリースへの道―

Illustration of Kris, Susie, and Ralsei raising their hands towards a floating controller

クエストその1:
モルモットチャレンジ!

『DELTARUNE』のChapter 3と4をどんな形であれリリースするには、まずクリアしなければいけない最初のクエストがあります。それは…

「GameMaker」の最新機能の人柱にならなきゃいけない試練!

Annoying Dog on a hampster wheel

じつは、僕たちが『DELTARUNE』の開発に使っているゲーム制作エンジン「GameMaker」の開発元、YoYo Gamesさんが、なんと僕たちのためだけに、特別に新しい機能をつけてくれることになったんです!

この新機能、「game_change」という新しいコマンドを使うと、「GameMaker」で制作した異なるゲームを別々に起動できる、というもので、コンソールにも対応しています。つまり、この機能を使えば、『DELTARUNE』の各チャプターを個別のゲームプロジェクトとして制作して、自由にチャプターを切り替えられるということですね。

『DELTARUNE Chapter 1 & 2 DEMO』を作ったときはこの機能がなかったので、2つのチャプターをくっつけて1つのゲームプロジェクトにするという、力技で乗り切りました。2チャプター程度ならまだなんとかなったけど、今後開発が進んでチャプターが増えると、この方法ではどんどん無理が出てきてしまいます。

どんな問題が生じるかというと…

  • 1つにくっつけたプロジェクトにあとから手を加えた場合、その変更が予期せぬ形で別の箇所に影響をおよぼす可能性があります。なので、いずれかのチャプターにパッチを当てるたびに、“全チャプターを”もう一度テストする必要が出てきます。
  • 3チャプター以上のコンテンツを含むゲームを起動すると、GameMakerクライアントの動作が遅くなる可能性があります。
  • プレイヤーにとっては、チャプターが増えるにつれて、ゲームを最初に起動したときのローディングにかかる時間がどんどん長くなることが考えられます。

…でも!このコマンドを使えば、そういう問題が全部解決するんです!

…ただし!

…これは「新機能」。つまり、過去にいろんなパソコンやプラットフォームで大規模なテストが行われたことがありません。というわけで…もしよければ、みなさんにテストにご協力いただきたいんです。

今から数週間以内に、「GameMaker」にアップデートが入って、その新機能が追加される予定です。そうしたら、現在公開しているChapter 1と2を、この新機能を使ったバージョンにアップデートします。そのときに、テストに参加する手順の詳細もご案内します。

この件についての続報は『UNDERTALE』の公式X(旧Twitter)アカウント(@UNDERTALEJP)でお知らせしますので、そちらをチェックしておいてくださいね!

Xのアカウントを持っていない人は…

…なによりです!

クエスト2:
コンソール版を作れ!

Kris holding a gaming controller that has the annoying dog's face on it, and it's plugged into a very stupid looking Queen-type arcade machine

コンソール版とPC版を同時にリリースするのが目標ということは、当然、Chapter 3と4の各コンソール版を作らないといけません。現時点で、コンソールで起動できるバージョンを作ること自体は、なんの問題もないです。でも、コンソール版とPC版で違っているところがないか、バグはないかなど、テストをして確認する作業には、少し時間がかかります。

コンソールのメーカーによって規約や規格も違うので、そういう点を適切に反映した形式に、ゲームをアップデートする作業も必要です。

この作業には、PC版が完成に近づいたタイミングで本格的に取りかかる予定です。

クエスト3:
レジェンド・オブ・ローカライズ

Temmie illustration: small ralsei on the left labeled 'cute' then another ralsei on the right labeled 'kawaii' but his eyes are bigger and shinier

さっきも書いたとおり、今回も英語版と同時に日本語版もリリースすることを目標にしています!(最初の2チャプターには日本語版があるのに、3と4だけないのは、ヘンですからね…)

現時点で、日本語のスクリプトをゲーム内に組み込むのは楽勝です。ただ、英語版と同じぐらい違和感のない状態に仕上げるには、日本語テキストを表示する位置やタイミングを細かく微調整しないといけません(それに、いつもどういうわけか、翻訳用にテキストを渡すとき、渡し忘れが出てしまうんですよね…)

Chapter 3のローカライズは、すでにすばらしい出来栄えです。日本語訳を全部読んで理解できるようになったので、一行一行、自分でレビューしているんですが、英語の言い回しはあいまいなことも多いので、翻訳チームにきちんと正確な意図が伝わるように、くわしく説明するよう心がけてます。ローカライズに関しては大半の人があまり興味がないかもしれませんが、ここは胸を張りたいところです。原作者が翻訳のプロセスにここまで密に関わることは、なかなか珍しいことだと思います!

(ちなみに、日本語版と英語版を比べて読んでみると、すごく勉強になると思いますよ!あ、でも…ルールノー・カァドーのセリフは、読むと頭悪くなるかもしれません…)

Localization example Localization example Localization example Localization example Localization example

そんなわけで、ゲームをリリースするには、Chapter 4のローカライズも終わらせないといけません。みなさんがこのメルマガを読んでいるころには、Chapter 4の翻訳作業も始まってるかな…?Chapter 2と3に比べたら、登場するキャラクターのローカライズ難易度は低いと思うので、スムーズに進むといいなと思います。

クエスト4:
バグハンティング!!

Illustration: Susie chasing after virovirokun with an axe, while ralsei looks on sweating.

ゲームをちゃんとリリースするということは、主なバグを可能なかぎり全部見つけて、つぶすことを意味します…

幸い、専門の会社がテストを引き受けてくれて、サポートしてくれるので安心です!プロのテスターさんたちが、英語版も日本語版も、PC版も全部のコンソール版も、何百回とプレイしてテストしてくれます。

当然、この工程は他の作業が全部完了するまで始められません。ゲームに何か変更を加えれば、それが予期せぬ問題を引き起こす可能性があるからです。例えば、コンソール版に加えた変更がPC版でバグの原因になったり、日本語版で変えた部分が英語版でバグになったり…

なので、これは終盤のプロセスになります。

クエスト5+:
他にもまだまだたくさん!

はい、他にもやらなきゃいけないことが、いくつかあります!

  • 審査機関(ESRB、PEGI、CEROなど)に審査してもらう
  • サウンドトラックを完成させて、リリースに備える
  • トレーラーやリリース告知素材を制作する
  • まだ何かあるかも…?

まとめ

以上が、ゲームのリリースに向けて完了させないといけないプロセスです!

ざっくり順番にまとめると…

「GameMaker」の新機能をテストする [もうすぐ開始!]

v

Chapter 4(英語・PC 版、未テスト)を完成させる

v

コンソール移植、日本語版制作、その他

v

バグテスト

v

リリース

今後は、上記のプロセスの進捗も逐一お知らせしますね!

(このページは、以上です…)